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​インテリアビジネスおぼえがき

~これだけは知っておこう!~

インテリアビジネスおぼえがき

第2話 インテリアビジネスのあゆみ──大正時代〜昭和初期

 

 大正期には、大正デモクラシーと呼ばれる風潮の中、中産階級を主体とした生活意識の向上が見られ、「生活改善運動」が起こる。生活様式はあいかわらず畳を使った和式が基本だったが、サラリーマン世帯の財力の増加にともない実用家具の需要がのびはじめた。

 これらの需要に主に対応していたのは百貨店で、各店が家具の製作・販売を始め、家具・室内装飾の設計部門が設けられた。その後、百貨店は日本の家具、室内装飾をリードする存在となる。

 この時期に大きな変化を見せたのは、台所である。都市部では電気、ガス、水道といったインフラが整い、従来の井戸と薪による座り流し型の台所から、活動的な立ち流し型台所が普及するようになった。浴室も、床や壁にタイル、浴槽に人造石などが用いられ、シャワーを設ける場合もあった。台所と浴室の先進的なデザインをまとめた書籍が一般庶民向けに発売されるなど、水回りの合理化、洋式化は、都市部を中心として一般家庭にも広がっていたことがわかる。

 

 昭和に入ると、国立の研究機関である工芸指導所が設立され、ドイツ工作連盟やバウハウスの影響を受けたデザイナーグループが次々と発足し、近代デザイン運動を推進した。日本でもこの時期にインテリアデザイン、工業デザインを専門とするプロフェッショナルが登場し、多くは百貨店の設計部や建築設計事務所に属していたが、中には独立した設計事務所を立ち上げる者もあった。

 これらの動きは、日中戦争から太平洋戦争へと向かう時代状況の中で、自然に衰退していくことになる。